「カカシ先生・・・」
「ん?サクラか・・・」
暑い日差しを遮るように立っている大きな木の根元でカカシ先生は寝転がって本を読んでる。
前はこんなんでちゃんと見ていてくれてるの?とか思ったけど、ナルトがバカやったりしてるとすぐにドツキにやって来るのを見たら・・・何だか安心しちゃた。
何処にいてもカカシ先生は私達を見てくれてるんだなぁって・・・。
私は額の汗を拭いながらイチャパラから目を離さない先生に任務の報告をした。
「春野サクラ、午前の課題終了しました。」
「んーご苦労さん」
先生が本から視線を外して私の方を見た。
額当てと口布で殆ど顔は見えないが、片方だけ見える目が細められているのが見える。
体の体温が一気に上昇する・・・やっぱり・・・カカシ先生ってカッコイイvvv
「サークラ・・・聞いてんのか?」
「ぎゃぁ!!」
ボーっとしてたら目の前に先生の顔があった!!
思わずビックリして数歩後ろに下がった・・・って、しまったぁ!
至近距離でカカシ先生の顔が見れる数少ないチャンスだったのに!!
(しゃーんなろぉー!勿体無い!!)
「ぎゃぁは無いだろう。ぎゃぁは・・・」
「ごっ、ごめんなさいっっ」
そんな私の態度に慌てるでもなく、先生は木に凭れかかると再び視線をイチャパラへ戻してしまった。
「ま、いいや。とりあえず先にメシ食っとけ。アイツら終ったら場所変えて次の課題指示するからな。」
「はーい」
最近・・・私の中で何かが変わった。
以前はあれだけサスケくんの姿を目で追っていたのに、今は・・・隣でイチャパラを読んでいるカカシ先生が気になって仕方が無い。
遅刻はするし(しかも5分とか可愛いものじゃない!平気で何時間も待たせる。)
私達に雑務押し付けるし(殆ど自分が頼まれたものを!)
課題を与えておいて自分は本読んでるし(しかも18禁の本を私たちの前で!)
・・・そんな人が気になる自分がたまに不思議なんだけど。
それでもやっぱり私…カカシ先生が好き、なんだよねぇ・・・。
(って言うか、やっぱりオンナに生まれたからには同年代よりも年上の人に憧れるって言うのはお約束よねv
カカシ先生ってば口布とって額当て取ればぜーったいサスケくんよりも美形よ!
・・・でもなぁ〜カカシ先生は26、私は12・・・歳の差14・・・この差は大きいなぁ、はぁ・・・)
何度目かのため息をついてからお母さんに作って貰ったお弁当の蓋を開けた。
「美味そーな弁当だな。」
「え?」
「・・・卵焼き、頂戴。」
「え?あ、はい・・・どうぞ。」
何?先生・・・何だか可愛い!!
震える手で差し出したお弁当箱から長い指でひょいっと卵焼きを取り出し口元へと運んでいく・・・もしかして、口布取る!?
私が期待を込めた視線で先生を見つめていると・・・後ろからバカデカイ声が聞こえた。
「あーっっ!!先生ってばサクラちゃんからお弁当分けてもらってるってばよ!」
思わず反射的にナルトの方を向いちゃった!
慌てて視線をカカシ先生に戻したけど、手にしていた卵焼きは既に無く満足そうな顔で何やらもぐもぐと先生の口元が動いてる。
「・・・ナールートォー」
「オレもオレも!サクラちゃん!オレにもお弁当くれってばよ!!」
課題が終ってないのにニコニコこっちにやってくるナルトを思いっきり睨んで拳を握った。
「アンタにあげるものなんてこれっぽっちも無いわよ!!」
渾身の力を込めた右ストレートは見事ナルトの左頬を直撃し、ナルトはそのまま課題の続きをやるべく吹っ飛んだ。
「ぎゃぁぁっっ〜〜〜・・・」
ざまぁみろ!ちっ!折角カカシ先生の素顔が見れそうだったのに・・・ナルトの馬鹿ぁ〜!!
「サクラのお母さんは料理上手だな。」
「え?」
「お母さんに卵焼き美味かったって言っといてくれ。」
そう言うと私の頭をポンポンッと軽く叩いてカカシ先生は立ち上がった。
「それと、あんまりナルトを苛めんなよ。アイツも一生懸命なんだからな。」
「カカシ先生がそう言うなら・・・気をつけます。」
「・・・ま、いっか。」
小声で何か呟いてからカカシ先生はナルト達の様子を見に行った。
結局30分後にサスケくんが課題を終えて戻ってきたけど、ナルトはまだまだかかりそうって事で・・・私とサスケくんの今日の修行は終わりとなった。
ナルトの所為で私の幸せな時間が半日も早く終ってしまった。
イライラする気分を何とか切り替え、久し振りにショッピングでもしようかなぁと思って木の葉茶通りへ来たけど、本屋さんの前で思わず足を止めてしまった。
頭の中で今日カカシ先生に言われた言葉がぐるぐる回ってる。
『サクラのお母さんは料理上手だな』
『お母さんに卵焼き美味かったって言っといてくれ。』
もしも・・・もしも私が超豪華で美味しいお弁当を作って先生にあげたら・・・
「サクラ・・・お前、チャーミングなデコだけじゃなく料理も出来るなんて・・・本当最高にイイ女だな。」
「そんな・・・先生。」
「結婚できる年になったら…オレの所に来るか?」
「勿論行きます!」
「待ってるぞ。」
・・・なぁ〜んて事になったりするかもぉ〜vきゃぁ〜vv
私は勢い良く本屋に駆け込むと、今まで立ち寄った事の無い料理本のコーナーへと急いだ。
サクラの勢いは誰にも止められない。
「恋するオンナは誰より強いんだからね!」BYサクラ
コメントは当時のモノを使用した方が味があるよね・・・という勝手な理由を掲げ、コメントそのまま使用★
猫缶のねこサマから頂いたイラストのお返し第二弾です!
お返しと言うよりも無理やり押し付けて、更にそのお返しをねだるという風見の極悪さを発揮した物です(笑)
NARUTO話は結局二つ書いたんですが、二度目に書いた方が雰囲気がつかめている所為か気に入っています。
私もカカシ先生の素顔見たいってばよ!(ナルト風)
毎度お馴染み?裏話
この後、サクラはお弁当をカカシ先生の所へ持って行き受け取ってもらいますが、
が!カカシ先生はその後医務室へレッツゴーです(笑)暫く胃薬とお友達(爆笑)
そう簡単にイイ女になっては困りますし♪ね、サクラ?